インタビュー

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お米は奥が深い。話しやすい米屋へ。

お父様が倒れたのをきっかけに、米屋の3代目としての人生をスタートさせた小池さん。この頃にはもう、お米の売り上げが伸び悩む時代でした。

とにかく始めは売り上げを伸ばすために、営業をかけることに集中しましたね。数年かけて、原宿・表参道近辺だけで600店舗くらいの飲食店をまわりました。結局親父が大丈夫だったんで、当時仕入れ・精米は親父が、配達は従業員がやっていたので、ぼくは営業に専念する形で。

そうして新規開拓をつづけながら米屋を営んでいくうちに、お米は奥が深いと感じるようになったそう。

今でもやり足りないことだらけですね。米屋が厳しい状況は変わらないので、そのぶんやりがいも大きいですし。商売の基本ですけれど、米の専門家だからどうこうではなく、とにかくいろんな要望に応えることはうちの特徴だと思っています。話しやすい米屋っていうんですかね。そうあり続けたいですね。

お客さんの要望に応えるためにも、仕入れはきっと重要なポイントだと考えます。どのような基準でやっているのでしょう。やっぱり「おいしさ」ですか?

産地・品種・味・値段などのマトリックスをつくっていて、今店で仕入れているものとかぶらないことを意識していますね。いくらおいしくても、かぶっていれば仕入れません。そのほうがおもしろいので。

自分で仕入れる品種同士での競争はさせない。一度良いと思ったものを大切にする。小池さんの仕入れへの思いの強さを感じました。

思ってもない未来が来た!

お店のサイトリニューアル、パッケージデザインで賞をとった6種のお米の詰め合わせ「あさひまつ光」の商品開発、イベント開催やメディア出演。いまや「米屋の在り方」を根底から覆すような、新しい米屋の姿を体現している小池さん。およそ2年前、honshoku代表・平井が表参道ごはんフェス開催の話を持ちかけた時、どう感じたのでしょうか。

いやあ、もう、思ってもない未来が来たぞ!と(笑)えらい時代になったもんだと身震いしましたね。お米が注目される時代がついに来たかと!!

第1回・第2回を「いろんな人を巻き込んで必死で駆け抜けた」といい、先日開催された第3回に向けた関係者キックオフパーティでは、honshoku代表・平井と「事前にこんなふうにキックオフパーティを開けるまでになったんだね」と感慨深く話したそう。(平井談)

キックオフパーティ後、持参してくれた炊飯器を原宿交差点で掲げる小池さん。

今回のテーマは「お米の進化」。「お米のサードウェーブ(第3波)」が来ているといわれるなか、フェスへの意気込みをお願いします。

お米のサードウェーブ、来てますね。自分もそれを起こしている一員だという実感がありますので、いろんな人とその波に乗っていきたいと思っています。日本人の歴史に深く根付いてきたお米ですが、その素晴らしさは見過ごしがちです。堅苦しい話があってもいいし、なくてもいいんですけど、とにかく多くの方にお米の魅力に触れてほしいですね。

今回「お米のサードウェーブ」を体現する形としてhonshokuが発売する「気分で選ぶブレンド米 Feeling」シリーズ。そのブレンダーとしても全面的に協力してくれた小池さん。その人柄、腕前ともに、今後もお米業界を牽引していく存在であることは間違いありません。ぜひ、ご注目くださいね。

(取材・文:honshoku高野 瞳)
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Profile

有限会社小池精米店 小池 理雄氏

昭和5年より続く、原宿・表参道で唯一のお米屋として知られる小池精米店の三代目。「東京都ごはん区」メンバー。五ツ星お米マイスター。有名な米どころから、まだ知られていない地方の名米まで、安心・安全な産地直米を届けることをモットーに、新しいお米の楽しみ方を提案する。
http://www.komeya.biz