能登輪島に恋した山本さんの話。
ロフトごはんフェス大賞を受賞した「能登輪島米物語」。この商品は、9軒のお米農家によるお米を食べくらべできるよう、たのしい工夫が凝らされています。そんな商品の誕生には、東京から石川輪島に移住した、山本亮さんというひとりの男性の、まるで恋慕に近い想いがあるんです。
山本さんとの出会いは偶然でした。ぼくが東京農業大学で講義をした際に、農大の卒業生である山本さんがたまたま講義を見学に来てくれたのがきっかけ。
山本さんが輪島に恋したのもたまたま。たまたまが重なり、想いを寄せて生まれた商品の「物語」を、山本さんにもうちょっとくわしく教えてもらいました。
「お米×旅×おかず」。2014年に輪島市内の9軒の生産者と輪島市が連携して始めた、能登輪島米物語のコンセプト。その言葉は生産者の方の輪島愛から生まれました。
「単なるお米の販売やブランド化ではなく、お米を通して輪島を活性化させたい」「生産者だけでなく、輪島の食や観光に関わる様々な事業者と連携できるプロジェクトにしたい」
コーディネーターを務めている私も、ブランディングマネージャーとして関わって頂いている長田敏希氏も驚いたその想い。何回かのワークショップを重ね、想いを共有しながらコンセプトを練り上げていきました。
例えば、輪島塗のお茶碗を片手に輪島を巡り、絶品のお米とおかずを頬ばり、生産者との出会いを楽しむ旅。例えば、毎月届く生産者のこだわりのお米とそのお米に合う輪島のおかずの定期便。例えば、お米と揚げ浜塩田の塩、手摘みの岩のりと、山の幸を練り込んだなめみそを詰めた「極上の輪島結びセット」などテーマを決めた贈答品。
そんな自分たちがワクワクするようなアイデアが浮かんでくる「おかずで旅する輪島のお米」というコンセプトを。
私自身は生産者ではなく、移住者という立場であるが、輪島のお米には譲れぬ想いがある。それは10年前に輪島に初めて訪れ、最初に食べた昼食で味わった感動。
茅葺民家の縁側で、地物をふんだんに使った定食をいただいた目の前に広がる美しい里山風景。
田んぼから吹いてくる風、目の前の田んぼからとれたお米を食べられる贅沢さと美味しさ。
それが始まりとなり、輪島の魅力にどんどん引き込まれ、2年前に東京から輪島へと移住までしてしまった。
その時に感じた心地よさや、お米の美味しさを少しでも多くの人に伝えたい。惚れた里山風景が次の世代へと受け継がれていくよう、一次産業を盛り上げたい。そんな想いが能登輪島米物語のコーディネーターを引き受けることへとつながりました。
その後、2年間のテストマーケティングや紆余曲折を経て、第一弾の商品として2016年4月に完成したのが「まるで輪島を旅しているかのように楽しめるお米」として、9軒の生産者のお米を混ぜ米せず、それぞれ2合サイズの真空パックに詰めて食べ比べを楽しめるようにし、生産者の田んぼの近くにある観光資源や生産者の想い、生産者オススメのおかずのイラストをパッケージに添えたお土産や贈答品のセット。
そんなできたばかりの商品が、東京時代によく行っていた渋谷ロフトで販売して頂き、しかも大賞まで頂けたことは本当に驚きと感謝しかありません。
「これからの旅は、温泉旅行でもなく、スキー旅行でもなく、ごはんとおとも旅行。左手には飯碗。右手には箸。そんな旅が当たり前の日本になったら、きっと日本の魅力をもっともっと掘り起こせるはず。」
審査員の柏木さまから頂いた推薦コメントの一部ですが、商品を通して「輪島にごはんとおかずを食べに行ってみようかな」と少しでも思っていただけたら嬉しいです。
9月には第一弾のモニターツアーも開催します。輪島塗のお碗を持って輪島を旅してみませんか?最高の新米と最高のおかずを用意してお待ちしています。
詳細はこちらをご覧ください。
(「能登輪島米物語」山本さんより)
こうして山本さんの話を読んでいると、「能登輪島米物語」は、山本さんの能登輪島への恋物語でもあるな、と感じますよね。
そういえば、先日、渋谷ロフトにお米農家さんたちが、能登輪島から来てくれたんです。試食提供してもらい、来場者の方たちが、食べたことのない能登のお米によろこんでいました。
ピースしているのが山本さんです。
生産者さんが来てくれた時の様子は、また後日レポートします。
honshoku 平井