インタビュー

title1-1

ほぼ日が、なんで表参道ごはんフェスに出店?

ロングセラー商品「ほぼ日手帳」の販売をはじめ、有名無名を問わずたくさんのゲストが登場するコンテンツを“ほぼ”毎日更新。糸井重里氏主宰のwebサイト「ほぼ日刊イトイ新聞(通称:ほぼ日)」は“ほぼ”と謳いながらも、1998年の立ち上げから未だに更新を休んだことはありません。※1

そんなほぼ日さんが表参道ごはんフェスに出店することになったのは、主催honshokuのある日の会議がきっかけでした。開催地である表参道でお米に関する面白い取り組みをしている人がいないか探していたところ、

「そういえば、ほぼ日の事務所って青山にあるよね」

誰かがポツリと言いました。その後、テテテッと検索してみると、なんとほぼ日さん、昨年1年間、事務所の屋上でお米を栽培していました。表参道エリアである青山に事務所を構え、お米を栽培している。しかもちょうどその頃「ちいさな田んぼキット」という自宅でお米をつくれる商品の販売をはじめる。連絡するしかない。メンバー・近藤が1本のメールを送りました。 *1:2015年5月20日現在

「見栄えのいいこと」を言わない、ほぼ日の奥野さん。

しばらくすると、一人の担当者さんが反応をくれました。それが、今回お話を伺ったほぼ日の乗組員・奥野 武範さん。事務所屋上でお米を栽培する際にアドバイスをもらったという、ふじた農園の藤田 浩志さんと一緒に、今回のごはんフェスプログラム「コメトーク!」に出演いただくほか、今まさに事務所屋上で育てている「バケツ稲」の展示や物販にもご協力いただくはこびとなりました。インタビューの時間はメモを取るのも忘れるほど楽しい時間で、ごはんフェスを主催する私たちが自分たちの想いを整理するような時間でもありました。

表参道ごはんフェスを知った感想や参加の決め手になったことはなんでしょうか?

ああ、表参道でごはんをやるのっておもしろいなと。オシャレなんだろうなーとか、そんな感じでした。参加の決め手…そうですね。VACANT(今回のフェス会場)でやる安心感もあったと思います(笑)お付き合いのある人がいろいろあそこでイベントやってるので。

…… VACANTにしてよかったですね(笑)

ほんと、よかったです(笑)

こちらの質問の意図に対し、必要以上に装飾をしない奥野さんの姿にどこか好感を抱きました。普段は主に「はたらく系」のコンテンツを担当し、いろいろな人にインタビューし、記事をおこしている奥野さん。ふじた農園 藤田さんとの出会いも震災からまもなく2011年5月からスタートした「東北の仕事論。」というコンテンツがきっかけだといいます。

年下なのに、しっかりしているなと。

奥野さんは、藤田さんと初めてお会いした時の印象を、こう語ってくれました。

震災にあってるんですよね。でも、恨みがましいことも言わず、毅然としているというか。2012年春の時点で“自分らはおいしいものつくるだけだ、それが一番のやるべきことなんだ”って言い切ってましたし“今が一番おもしろい”とも言っていて。ああ、すごいな、と。震災から1年足らずのその時期にそれが言えるっていうのは。

郡山で代々続く米農家に育った藤田さんは、8代目。奥野さんのお話を伺って、その8代目という重みが、藤田さんの場合はとてもポジティブな方向に働いているような印象を受けました。


今回はここまで。次回はそんな藤田さんにアドバイスをいただきながら、ほぼ日さんが事務所屋上でお米を育てたお話をお届けします。
(取材:honshoku近藤 雄紀 高野 瞳/文:honshoku高野 瞳)

p_top_01
Profile

株式会社東京糸井重里事務所 ほぼ日刊イトイ新聞 奥野 武範氏

出版社に勤務後、2005年に東京糸井重里事務所に入社。読み物チームに在籍し『東北の仕事論』『21世紀の「仕事!」論。』、書籍『はたらきたい。』の編集などのコンテンツ担当。今年、「ほぼ日」として、福島県産コシヒカリの種もみを自宅で栽培できる「ちいさな田んぼキット」をつくる。▼ほぼ日コンテンツ「ただいまお米栽培中。
http://www.1101.com/okome