インタビュー
幻の第0回を経ての、第1回と第2回。
実は表参道ごはんフェスには、幻の第0回がありました。それは、2013年秋のこと。
忘れもしない、2013年10月26日(土)です。台風がきてしまって。前日までねばったんですが、中止の決断をしました。実は東京はわりと落ち着いていたんです。でも全国から出店する農家さんたちが、飛行機が飛ばなかったり、自分の農地を離れるのが不安だという声もあり、安全面を考慮して中止にしました。
その時中止を伝えるFacabook投稿に、名前も顔も知らない人からも「次回を楽しみにしています」とコメントがつくなど、今までで一番「いいね!」がついたそうです。それから改めて、2014年4月に第1回、10月に第2回を開催。参加者の方の反響も大きく、メディアでも取り上げられるなど、土地柄、日々たくさんのイベントが開催される表参道でも「埋もれない」実感が持てたといいます。
ごはんフェスを通じて、考えを更新できる。
第1回目、第2回目で出店・協力をしてくれた方々とのつながりができたこと、フェスを経て「何か私にもできることある?」と声をあげてくれる人も増えたことが、なによりの収穫だったと語る平井。
そういう人たちがごはんフェスをきっかけに、ごはんやお米に対する考えを深めてくれたり、それを持ち寄って話し合ったりできることがすごく刺激になります。常に考えを更新できるのは大事なことだと感じていて。変わらないと、進化しないじゃないですか。
honshokuというチームで運営するということ。
「変わる」という流れでいえば、ここまで話を展開してきた第0回から第2回までは、トータルフードプロデューサー平井個人としての取り組みだったわけですが、第3回目を迎える今回からはhonshokuとして主催することに。平井にとって、気持ちのうえで変わったことはあるのでしょうか。
楽になりましたね。気持ち的に。相談したい時に誰かいてくれる(笑)今までももちろん、協力してくれる人はたくさんいましたけど、やりたいことを実現しやすくなりました。1回目も2回目も物理的に難しかったことができるようになったり。ごはんフェスを今後どうしていきたいのか、地方への展開などの未来的な話もできるようになった。これは大きいなあと思います。
honshokuブログより抜粋。個人的には、食のプロデュースチームとしてhonshokuが動くにあたって、日本の食文化のベースともいえる「お米」に携わっていくことは、チームとしてとても良いことだと感じています。
そうですね。お米って、接し方や伝え方が難しいと思うんです。それこそ「空気のような存在」なので。でもだからこそやりがいがあると思うし、続けていく意味もあると思っています。
(取材・文:honshoku 高野 瞳)honshoku代表/東京農業大学 非常勤講師 平井 巧
SP広告代理店、IT関連会社を退社後、トータルフードプロデューサーとして活動。「表参道ごはんフェス」のほか、フードロスを考える「サルベージ・パーティ」を企画運営。昨年4月より東京農業大学にて多摩川流域のブランディングに取り組む「Resources Project」を立ち上げる。2015年、食のプロデュースチーム「honshoku」を結成。
http://honshoku.com/