インタビュー
お米に向き合う人たちを、もっと知ってほしい。
今回のごはんフェスのテーマは「お米の進化」。70年代、お米が日本の食卓に根付いた第1波、コシヒカリ等のブランド米が続々登場した第2波を経て、いま、お米と新しい向き合い方をする人たちが増えてきました。
なんかもう、「お米のサードウェーブ(第3波)」が来てるぞ!って言っちゃおうと思って(笑)今回honshokuが主催ではあるんですけれど、ごはんフェスに協力・出店してくれる方々は本当に面白い取り組みをしていて。そのことをもっと知ってもらいたいし、注目してもらいたい。そういう人たち同士がつながってコラボしたり、情報交換ができたり、業界全体の底上げになるといいなあと思っています。
ごはんの国「日の丸茶碗」とごはんの旗揚げ「おにぎり国旗」をイメージしたビジュアル。足をはこんでくれる方に、感じてほしいこと。
「いよいよフェスも迫ってきました。足をはこんでくれる方にメッセージをお願いします!」そう伝えると平井は「自分は結婚していないんですけど…」と切り出し、こんな話をしだしました。
お米と人の関係って「夫婦」と似てるなあと思っていて。空気のような存在ってよく言うじゃないですか。でもそれって必ずしも悪いわけじゃなくて、理想でもあるわけですよ。だからお米との付き合い方も難しいんですけれど…。
じゃあ、ごはんフェスが「結婚記念日」みたいになるといいですよね。普段は意識しないけれど、年に2回のごはんフェスの時には何かを感じてもらうというか。
……。今すごくいいこと言いましたね!まさにそうで。フェス当日まで生産者さん、お米やさん、クリエイターの方、応援してくれる方、本当に数えきれないほどの人が関わっているんですけど、1日ですべてを知ってもらうことは現実的に難しいです。でもごはんフェスは田植えの春と稲刈りの秋、通年のアクションなので、それらのタイミングで改めてお米と向き合ったり、新しい取り組みをしている人や日本のお米動向に目を向けてもらえればうれしいですね。
映画や美術館に行った後、一緒に行った人と感想を述べ合う時、必ずしも意見は一致しません。すごくよかったという人もいれば、イマイチだった、という人もいる。ごはんフェスもそれでいいんだ、と平井はいいます。
無関心が一番つまらないと思っているので。ワークショップに参加してもらうでも、ぷらっと来てひとまわりするでも、参加の仕方はいろいろなんですけど、ごはんフェスに入って出たことで心がザワザワするといいなと。何かを感じて、なにか1つでも持って帰ってもらえるといいなあと思います。
〈完〉
(取材・文:honshoku 高野 瞳)honshoku代表/東京農業大学 非常勤講師 平井 巧
SP広告代理店、IT関連会社を退社後、トータルフードプロデューサーとして活動。「表参道ごはんフェス」のほか、フードロスを考える「サルベージ・パーティ」を企画運営。昨年4月より東京農業大学にて多摩川流域のブランディングに取り組む「Resources Project」を立ち上げる。2015年、食のプロデュースチーム「honshoku」を結成。
http://honshoku.com/